あぶくま亭の煮込みランチ
神田駅から少し歩くけれど、煮込み好きな方なら是非訪れていただきたいのが、ここ。大手町から鎌倉橋、神田橋を渡って来る人も多いです。今日は11時40分頃、お昼前に来ましたがすでに店内は満員。外に2人待ちです。
客席はカウンターのみ10席弱。
メニューは、スペシャリテの和牛黒煮込みと、日替わり2品の組み合わせで計4種類。どれも900円。神田近辺ではちょっと高めの設定ですが、満足度は高いランチです。
並んでいる最中に、表の看板を見てどれを頼むか悩むのも楽しみの一つです。
①は、和牛黒煮込み大(煮玉子入り)。
②は、日替わり2品、この日はやわらかサバの味噌煮と油淋鶏。煮込みはつきません。
③④は、日替わりの一つと和牛黒煮込み
何人かが食べ終わると、お店の中から「どうぞ〜」と呼ばれます。昼前に来る人は、割とテキパキ食事を摂る人が多いようで、5分くらい待つだけで、店内に案内されました。外で並んでいても、店内に入れば、待たされることはありません。
お店に入ると、「③番④番がオススメでーす」と言われます。
実際に、③番、④番がオススメです。
面白いのが、昼過ぎに行くと「①番売り切れでーす」と言われること。
③④の煮込みはあるのに、なんでかなぁと思って、ちょっと尋ねたことがあるのですが、どうやら、仕込みの都合で、煮込みばっかりどんどん出しちゃうと、夜提供する分がなくなってしまうからなんだそうです。なるほど、納得。まぁ、それくらい美味しいのです、ここの煮込み。ただし、日替わりのおかずも、割と手がかかっていて美味しいので、ここは、やっぱりオススメは③番か④番です。100円プラスになりますが煮玉子も追加できます。
今日は、④番の油淋鶏と和牛黒煮込みを注文しました。一人厨房で働くマスターは、すぐに仕込んであった鶏をフライヤーへ。ほどなく漬物と冷奴の小鉢が運ばれてきます。ちょっと先につまんでおこうかなと思い箸を手に取ると、ご飯、味噌汁も出てきます。外で多少待ち時間があったとしても、中に入って食べ物が次々出てくるとあまりストレスは感じません。まぁ、煮込みは目の前でグツグツ煮えているわけですから、それほど提供に時間がかからないのは想像できます。
実際、アッツアツの鉄皿に移されてからもグツグツの続く「和牛黒煮込み」が目の前に現れるのは、あっという間です。この、グツグツのバトンタッチ、ニクい演出です。入店→注文→小鉢→ご飯・味噌汁→グツグツ煮込み到着。ここまでの畳み掛けるようなスピード感、なんとも心地いいです。
黒煮込みというだけあって、煮汁は黒。でも、透明感のある黒で、しっかりと塩っけがあるけれどくどくなく、見た感じよりさらっとしています。
モツも入っているものの特有の臭みは全くなく、モツ好きな人はもちろん「あの臭いさえなければ」くらいの、ちょっと苦手な人も大丈夫。きっと煮込みに対する印象が変わると思います。実際、男性だけじゃなく、女性のお客さんも多く見られます。これは、単純に、ちょっとおしゃれな外観からだけではなく、味が良いからに決まっています。
一緒に煮てある大根もボリュームがあり、満足。いわゆる味噌煮込み的なものをイメージしていると、ちょっと違いますねぇ。煮込みといえば煮込みなんだけれど、シチューのような味わいを楽しめます。
先に運ばれてきた煮込みをちょびちょびとつまんでいると、日替わりのおかずができてきます。油淋鶏なら作り置きでもいいのではないかと思いつつ。仕込み済みのものを、注文後にさっと揚げて熱を通しているから、外はカラッとしていて中はジューシー。これだけをおかずにしても、十分満足です。一人厨房なのに、提供前にこんな一手間かけてくれているのは、なんだか嬉しいです。
さらに嬉しいのが、表のメニューに書いてある通り、実際、ご飯が美味しいところ。しかも、お代わり1杯が無料。
一つ一つの手の込んでいる料理は、なんだか、午後の仕事もやる気が出てきます。
当然のごとくお代わりをして、ちょっと行儀悪いかもしれないけれど、煮汁かけご飯も楽しんで、大満足なランチでした。